人気ブログランキング | 話題のタグを見る
祝! 人口減社会 2 -「横ばい型社会」を構築する-
 昨年末に速報値が出た時にも記事を書かせていただきましたが、人口減少は嘆かわしいことではなく、社会的な問題を生み出すだけのものでもありません。というより、人口が減ってきていることを次の時代の社会を再構築するためのチャンスとすべきです。
「祝! 人口減社会」(2005年12月20日)

 税収が減って公共事業ができなくなる、年金を給付する人口より納付する人口が少なくなっている、このままだと介護保険も厳しい・・・など、人口が減ることによって困難な局面に突き当たります。どんなに知恵を絞っても、既存の社会システムの中で考えている限りにおいては、この局面は決して突破できないでしょう。

 現在の日本の社会システムを疑ってみてください。

 現代の日本社会は、人口が右肩上がりに増え続けることを前提としてつくられています。そのため、人口が減り始めると、税収や年金に支障をきたし、徐々にシステムダウンしてしまうという寸法です。そして、そのうち立ちゆかなくなって破綻することは明白です。
 人口だけではなく、同じ理屈であらゆることが考えられています。経済界、会社の業績、個人の出世、貯金なども、右肩上がりでなければならない、増え続けなければダメだ、という発想に取り憑かれていると言えるでしょう。

 「人口が増える」、「成長し続ける」というタイプの社会を脱皮してみてはいかがでしょうか。「成長型社会」に対し、たちまちは、人口が増えも減りもしない「安定型社会」、言い換えれば「横ばい型社会」を目指す時期に来ていると思います。人口が一定である将来を考えることに、社会システム再構築のヒントがあります。

 もう1つヒントを述べておきます。
 これからしばらくの間は、依然として人口減少が進みます。しかし、首都圏や都市部ではやはり人口が集積され、地方や農山村では人口が減り続けます。人口減社会によって、全国規模で見た1人あたりの資源配分量は増えますが、このままいくと、都市では逆に資源配分が厳しくなって閉塞感を増すこととなり、田舎は資源を使わずに持て余し、放置することになるでしょう。

 関連記事のリンクを記しておきます。お時間がありましたらどうぞ。
 「日本は1億人を養えるか?(その2)」(2006年5月26日)
 「20世紀的価値観から抜け出せ!」(2006年5月11日)
by senang | 2006-08-06 01:53 | 【1】人類の適正規模
<< 運と運命 「求めよ、されば与え... なぜ話が合わないのか? 団塊世... >>