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これからのプロジェクト -レンジャーのブレインストーミングより-
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 レンジャー会議を開き、Yエリアの限界集落で何をするかについて話し合いました。大きな地図を広げ、8月の調査で歩き回った集落の状況を思い出し、それぞれがしてみたいことを書いた紙を貼り付けていきます。最初は何となく戸惑っていたレンジャー達も、作業が進むにつれて色々なアイディアが出てきました。
 現代文明の価値判断からすると、大概は限界集落は辺境や縁辺に位置していて何もないところと思われがちです。結成当初のレンジャーも、「こんな田舎で何をするんだ!?」という顔をして集落を歩いていました。でも、8月の暑い盛りに何日も歩き回ったことで、少しずつ使えそうな資源や里山の良さを感じつつあるようです。

 以下、みんなで出し合ったプロジェクトのうち代表的なものを挙げてみます。僕がしたいこともかなり入っていますが、ご勘弁ください。

■天空のカフェ「The Air」をつくるプロジェクト
 菜の花の栽培と燃料生産(9月に耕起・施肥・播種、春には一面が黄色い花畑に!)
 完全予約制のカフェ・レストランをつくる
 菜の花が満開になる頃にオープン
 食材は周囲で採れたものを中心に
 農地の真ん中にある大きな岩の周りにデッキづくり、客席を配置
 夜は彼方の海に浮かぶ漁り火が見える

■岩の庭プロジェクト
 大きな岩が3つ並ぶ谷がある
 石の上にも3年!ということで、星の観察スポットに
 岩の庭ファームと竹の長城(鳥獣被害防止)
 漁り火bar(はるか遠くに漁り火が見える)
 温泉をつくる(巨大ひのき風呂をみんなでつくる&五右衛門風呂)
 温泉はローテクエネルギー(山の手入れと薪づくり&ウッドボイラー)で沸かす

■多彩な食を楽しむプロジェクト
 みかんとりんごの収穫(暖かい地域と寒い地域の果物が同じ畑で収穫できる!?)
 野菜や山菜の収穫(れんこん堀り、わさび、クレソン)
 くど・かまどを使い、焚き火で料理をつくってみんなで食べる
 野の生き物まるやきツーリズム(マルヤキズム)
 移動野外レストラン(ケータリング)
 天ぷらカーを走らせて春の山菜を食べる
 食の保存方法を学ぶ(冷蔵庫を使わない知恵を聞き取り&実践)

■お寺の神秘にハマるプロジェクト
 住職のいなくなった寺を活用したい
 寺へ至る坂道に手づくりの灯籠を配置して幻想的な回廊をつくる
 寺の除夜の鐘&年越しそば(今年の大晦日に実施、除夜の鐘は1発100円!)
 寺で精進料理の会食&座禅体験
 しだれ桜のもとで桜祭り(ライトアップするときれい!)

■夏を満喫できるツーリズムプロジェクト
 1週間キャンプ(来年の夏休みまでに、滞在して楽しめるコンテンツをつくる)
 ウォーターパーク(集落の淵、堤防、水路など、水を活かしたテーマパーク)

■柿もぎプロジェクト(ツキノワグマ対策と合わせて)
 村内4,000本の柿の木マップをつくる
 10月上旬に柿もぎ隊の結成&実践(目指せ、のべ1,000人!)
 柿の実で加工品づくり&柿渋の活用
 柿の葉1万枚コンテスト(今年一番美しい柿の葉はどれだ!?)
 柿オーナー制度

 ・・・などなど。
 この他に、棚田の風景を活かしたおだんご屋さん、パラグライダーひろば、村の食材を使ったレストランを近くの市内に開店、野焼き・山焼き(五山送り火のような山焼き)、廃屋解体業の養成と廃屋再生ワークショップ、日本ではまだ栽培されていない外国の野菜の試験栽培(成功すれば日本初!)、などがありました。

 9~10月に着手するものもあり、これからたちまち忙しくなりそうです。
# by senang | 2007-09-02 00:17 | 【3】プロジェクト
体は水の循環でできていることを実感する
 昨年までに比べて、今年の夏は外での作業が格段に増えました。最近は、炎天下で家の周りの草刈りや薪づくりや社会実験での調査などを行っています。腕や顔など、外に露出している体の部分は、日に焼けてすっかり黒くなりました。服を脱いだら、上半身はパンダのようです。
 暑い時期ですので、たくさん汗をかきます。その分、たくさん水分を取ります。1日に飲む水の量は、2リットル近くになることもあります。水が体から出て行き、出尽くしたところで補給することによって再び全身に水がしみわたる感覚を味わっています。飲んだ直後から再び汗が噴き出します。体は水の循環によってできているんだなぁということを実感します。
# by senang | 2007-08-20 15:30 | 【2】環境との対話
ドボーン!
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 ドボーン!と、岩の上から勢いよく淵に向かって飛び込む子供たち。Yエリアの踏査の途中で素晴らしい川遊びの場所を発見しました。このあたりの人はみんな、夏になるとここに飛び込んで遊んだとのこと。

 絵に描いたような飛び込みスポットですが、実際にはこのような場所はなかなかありません。ガイドブックにも載っていなければ案内看板もない、地元の人のみぞ知る秘密の場所です。
# by senang | 2007-08-19 01:32 | 【3】調査
古民家の見立て
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 Yエリアで空き家調査を実施したことは以前の記事でお伝えしたとおりです。今回は、空き家を含めた古民家がどれだけ使えるのかを考えるため、専門家に見立てをしていただきました。

 サンプルは写真の家。元々は農家の家屋で、現在は物置として使っています。約200年前に建てられたものだとのことですが、正確に知っている人は存在していません。家の所有者も、ずっとここにあったことを知るのみで、正確な伝承は受けていないとのことです。
 元は茅葺き屋根でしたが、数十年前に解体してトタンにしました。土壁も崩れてきているので、トタンで保護しています。

 素人目に見て、内部の梁にはつっかい棒がたくさん組まれているため、傾きつつあるのかなと想像しました。床板が抜けているところや、壁の中の竹組がむきだしになっているところもありました。補修をするとなると、かなりの費用と手間がかかりそうです。もっとも、どのような使い方をするのかによって補修の仕方も変わってきますので、使用可能かどうかがよくわからなくなってきました。

 続いて、一級建築士の方に解説をいただきながら、見立てを行っていきました。
 一般的に、家が傷むのは「腰より下」からとのとこです。基礎との接点も重要です。この家の場合、土台は基礎石が置かれているのみで、そこに柱が置かれて横木が渡されていました。地面に近いところにある柱の下部や横木は腐食しており、頑丈とは言い難いものがあります。
 藁屋根を支えていたため、梁には太い材が使われています。しかし、梁の重みを腐食した柱が受け止めている状況であるため、とても危険です。幸い、藁屋根からトタンに変えたことで梁から上の重量が軽くなり、今のところは何とか支えられています。

 建物の強度の面から、柱に問題があるという指摘があり、「直すより建てた方が早くて安い」との結論に達しました。どうしても使うのであれば、一旦解体して柱を入れ替えたうえで梁や屋根を組み直す作業が必要になるとのこと。
 今回の見立てで、空き家や古民家の活用については、生活まわりの事項や内装以前に、安全性(骨組み)が重要であることを学びました。
# by senang | 2007-08-19 01:17 | 【3】調査
絶景かな
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 Yエリアにある農地です。写真の手前から茂みに入る直前まで、6筆が段々に連なっています。眺望が良く、山並みのむこうには遠く海が見えるとのこと。夜はイカ釣り船の漁り火も見えるそうです。
 農地の脇に、一人暮らしのおばあちゃんがぽつんと住んでいます。元々は稲作をしていましたが、10年くらい前にやめました。放置しておくとすぐに林になってしまうため、毎年2回の草刈りを欠かさず、農地としての形を維持しています。高齢のおばあちゃんが1人で広い面積の草を刈ってきたご苦労は、並大抵のものではないとお察しします。

 この度、この場所を借りて活動を展開することといたしました。

 かつては近くの沢から取水し、用水路が水田の脇を走っていました。今でも溝は掃除すれば使用可能ですが、水源となる沢の水がほとんどありません。沢は枯れ川のような状態で、ほんのわずかの水がところどころにチョロチョロと流れている程度です。水田として復活させるには水が足らず、他の作物をつくったり動物を飼ったりするとしても、少量の水ではできることが限られてしまいます。
 どのような使い方が可能か、もう少し考えてみたいと思います。景色がとても良いので、風景を活かした完全予約制のカフェやレストランなどもしてみたいところです。山奥の奥の奥で時間が止まったかのような感覚に包まれながら、誰にも邪魔されずに緑の絨毯の上でお茶ができると最高ですね。

 そんな夢を膨らませつつ、まずはレンジャーが周辺環境の整備や草刈りに着手する予定です。
# by senang | 2007-08-19 00:38 | 【3】プロジェクト