イニシャルとランニング
 「イニシャル」と「ランニング」。この言葉に「コスト」をつけると、初期投資と経営資金ということになります。周知のとおり、これは必要なお金を算出する考え方ですが、自給的生活では、「コスト」よりも「時間」や「人役」の方が重要になります。
 とても大雑把な数値ですが、世帯や個人という単位で自給的生活を実践するためには、1日あたり2~3時間程度(約2.5時間)のランニングがかかります。時間を人役に換算すると、2.5時間/8時間=約0.3人約となります。
 必要な時間は季節によって変動があるため、これは平均した数字になります。我が家の場合、風呂焚き、山の手入れと薪の確保、薪割り、畑仕事、草刈りなどがこれに該当し、さらに冬場はストーブを焚く時間も追加されます。

 ところで、現段階では我が家がこれだけの時間(人役)を生活に割り当てることができていません。それは、日々の暮らしの中では仕事、子育て、他の活動が優先されているため、1日たった2~3時間であっても生活に割く時間を工面できないという状況にあるためです。
 また、今の暮らしを始めて半年以上たちますが、まだイニシャル人役とも言うべき作業を行っている状況もあります。つまり、自給的生活のためにわずかばかりの時間を割くことができても、イニシャルとランニングがごちゃ混ぜになっており、時間と人役の使い方に改善の余地があるということにもなります。

 このような反省点を並べてみると、おおむね2つのことが見えてきました。

 1つ目は、自給のために必要な時間をしっかりと確保するということです。2~3時間/日または0.3人役を目安として、まずはこれが確保できるかどうか。2つ目は、時間と労力を効果的に使うため、段取りをうまくするということです。
 自給的生活に入る前に、または、自給的生活を始めてもうまくいかない場合に、このような時間と人役の使い方を再考してみると良いのかもしれません。我が家の場合、まずは仕事の仕方や地域活動の整理が目下の課題です。
[PR]
# by senang | 2007-06-17 17:02 | 【2】自給について
「里山プランナー」 -自給圏域確立へ向けた社会実験-
 島根県では、自給圏域の確立を念頭に置いて具体的な作業を進めるべく、「里山プランナー」を募集しています。とりあえずは今年度中に社会実験を行うためのスタッフ募集という形ですが、新たな知恵と力を投入することで、この動きが第一歩となって人や資源の動きや考え方が変わっていくことを願っています。また、一過性のものに終わらず、継続したムーブメントにつながっていくといいですね。

「里山プランナー」の募集について
[PR]
# by senang | 2007-06-15 18:33 | 【2】自給について
経済学者・人口学者のロジック
 経済学者や人口学者のロジックに辟易しているところです。こう書くと、全ての経済学者や人口学者が悪いように聞こえるかもしれませんので、僕が最近接点を持った方々というように限定させていただきます。

 それで、何に辟易しているかというと、簡単に言えば既存の枠組みや専門分野の範疇でしか将来を見通していないということです。もう1つ付け加えるならば、実践がなくて発言に現実感が伴っていないということもあります。

 数日前、とある人口学者がいきなりやって来て、押し問答のようなやり取りを繰り広げました。国の人口予測にも関わったというその方は、里山や限界集落を守ることのコストと効果を考えた時、大いに疑問があるということを切り出しました。
 僕自身、集落という枠組みを守ることを積極的にとらえてはいません。それよりも、これからの世界的な資源枯渇を目前にし、環境容量の限界が見えていることを重視した対応を考える必要があると思っています。さらに、日本の自給率の低さを考慮した時、里山の食糧・エネルギー生産能力を再評価して、これらを最大限に引き出さなければならないと考えています。

 そう述べた事柄に対して、人口学者は「それは従前の農政の存在意義を示す建前であり、日本の農山村に食糧生産能力はないのが実態だ」と述べました。
 確かに現状を見ればそのとおりです。しかし、それは里山に住む人たちが好んで進めてきた路線ではなく、日本が経済大国を目指してきたことの表れです。そして、このままでは国の先がないことは明白であるため、思い切った政策によって自給国家へシフトすることが重要です。

 人口学者との話はずっと平行線をたどりました。僕は、現状を抜本的に見直して国内自給率を上げることに全力を尽くすべきだという話の文脈において、資源を最大限に活用するために社会的コストを投入する必要があると述べました。しかし、人口学者はその理屈は成り立たないと言います。彼は、里山の少ない人数の生活を確保することに大きなお金をかけるくらいなら、利便性の高い都市部に住宅を建てて移住してもらった方が、社会的に良いお金の使い方ができるということを主張します。さらに、食糧やエネルギー供給は、平和と協調に基づいて国際的連携を模索すべきであって、そもそも国内だけで考える必要はないということも力説していました。そして、世界的な環境容量としては、人口を百数十億人まで扶養できるらしい(!)です。

 個人的には、国際関係を念頭に置いた政治や経済が信用ならないうえに、最近は環境問題が急激に問題視されるようになっているのに、他力本願で悠長なことを言っているなぁと感じました。時間が惜しいので、人口学者さんには早々にお帰りいただきました。
 それでも、異論を唱えていただける方との話には自分の考え方を見直すきっかけもあるので、良い勉強になりました。
[PR]
# by senang | 2007-06-14 18:36 | 【2】自給について
限界集落のアカショウビン
 昨日、3世帯で高齢化率100%という集落におじゃましました。道路状況が悪く、幹線道路は車が1台通ることのできる道幅で、そのすぐ横は崖です。人はほとんど通らないでしょうから、車が落ちたらしばらく誰にも気づかれないということも十分にあり得ます。
 そんな道を進みながら、しばし車を停めて外に出てみました。「キョロロロロロロ・・・」という声がすぐそばでします。アカショウビンです。くちばしから足の先まで派手な赤色をしていますが、目につくところにはほとんど出てくることがないため、声はすれど姿は見えないと言われる幻の鳥です。
 声がすぐ近くから聞こえてきたため、声がする方へ向き直り、そろりそろりと近寄って行きました。すると、20mくらい先の茂みにその姿がありました。

e0052074_17165584.jpg

 野生のアカショウビンを初めて見たことに嬉しくなり、手にしていたカメラで撮影しようと試みました。しかし、2枚撮ったところですぐに飛び立ってしまいました。朝日に赤色が映えて、飛ぶ姿も優雅でした。
 写真は、カメラが悪いのか腕が悪いのか、例によって何となくブレてしまいました。ご了承ください。

 限界集落のアカショウビン。
 人間にとって撤退間近のエリアで、元気な野生が展開されていることを目の当たりにしました。
[PR]
# by senang | 2007-06-14 17:55 | 【2】環境との対話
15平方kmの「自給圏域」
 今日、エネルギーファームをつくるのが夢だというおじいさん(もうすぐ80歳)から電話がありました。その内容は、今年の秋に地区の資源を見直す活動やパネルディスカッションを実施しようと考えているので、ひとつ話に乗ってほしいというものでした。最初はおじいさんの一方的な演説に「うん。うん。」と相槌を打っているだけだったのですが、話が段々と面白い方向へ進んでいったのです。

「ここの地区は15平方kmあるが、昔はこの中で全てを自給しとったんです。何でもつくっとったんよ。鍛冶屋も店屋もあって、生活に必要なものは全部揃った。戦時中は戦闘機の燃料もつくってましたよ。」

 100%に近い食糧を自給することは十分に可能だと思います。それよりも、僕は戦闘機の燃料をつくっていたという点に興味を持ちました。これを現在の動力源として復活することができないかというわけです。
 燃料として、何をどれだけの量生産していたのかについて聞こうと思いましたが、おじいさんはご自身のペースで話を続けます。質問しようとした時には昔の町並みの話になっており、今は使われなくなった道路や家の並びなどが記憶にある今のうちに地図にしておきたいということを延々と語っていました。

 僕は今、食糧やエネルギーの自給をするための「自給圏域」を設定し、その中で資源を循環的に使える仕組みをつくりあげてみようと考えているところです。現在と数十年前(おおよそ60年前)では生活の様相が大きくことなると思いますが、おじいさんの話によると、半世紀ちょっと前には「自給圏域」の基本ユニットがしっかりと機能していたということになります。しかもその規模が15平方kmということは、とても参考になります。

 生活に必要な店や職人さんが揃っていて、燃料までつくっていたという町は、どのようなものだったのでしょうか。秋には再現地図をつくりたいということですので、じっくりとその内容や暮らしぶりを調べたいと思います。
[PR]
# by senang | 2007-06-04 17:23 | 【2】自給について
行きがかり上、焼き畑をしてしまいました
 昨日、山の木の整理を頼まれ、4人で作業へ行ってきました。現場に着いてみて愕然としました。木の幹や枝が小川を埋めていて、さながらビーバーのダムのようになっていたのです。川の流れも変わってしまっていて、これを除去するのは並大抵のことではないなぁと感じながら作業にかかりました。
 午前中から夕方前にかけて、川を塞いでいる木の幹や枝を取り除き、川の底に堆積した葉を拾い、水の流れを良くしました。そうしているうちにチョロチョロと水音が聞こえるせせらぎが復活し、よどんでいた水が流れ始めました。川に魚も戻ってきています。炎天下で作業をしていた疲れが一気に吹き飛びました。

 その後、畑(現況は耕作放棄地)の中に捨てられている杉の木を除去する作業に取りかかりました。全力で2時間はかかるな・・・と思っていたところ、畑の所有者であり作業の依頼主が一言。

「・・・燃やすか」

 その言葉に意気揚々と火をつけました。杉の乾燥した葉はよく燃えます。葉がたくさんついた枝にライターを近づけると、ジリジリジリジリ・・・と焦げる音を出しながら、枝はあっと言う間に火だるまになります。安全のため、枝葉を少しずつ集めて分散させて燃やすことにしましたが、僕が不用意に火を投げたところに枯れた枝葉がたくさんあったのです。火は一気に燃え広がり、畑は一面火の海となってしまいました。

e0052074_16401678.jpg

 延焼を防ぐため、慌てて周囲の燃えるもの(枝葉)を片づけます。でも、熱くて炎に近寄ることができません。すぐに煙が天高くもうもうと立ち上り、向こうが見えなくなってきました。一緒に作業していた人が炎の向こう側にいたので、声で安否を確認します。結局、畑の大部分を焼いて延焼は止まりました。そして、2時間はかかると思っていた作業が一瞬で終わってしまいました。

e0052074_1711369.jpg


 焼けてしまった畑を見ながら、依頼主が言いました。

「ここへソバを撒いたらよく育つかね。それならそれで話を進めるから、あんたらはソバを使ってイベントでもしたらいいよ。」

 この荒涼とした畑がどうなっていくのか、ソバの種でも撒いて観察していきたいと思います。

 意図していたわけではありませんが、ひょんなことから焼き畑+粗放的農業をすることになりました。別のところでの話になりますが、近々大量の耕作放棄地で焼き畑をしてエネルギーファームにしようと考えていたので、ちょうど良い練習になりました。次からは安全を確保して慌てることなく作業したいと思います。

e0052074_1723320.jpg

[PR]
# by senang | 2007-06-04 16:58 | 【2】DIYな暮らし
檜風呂
 最近の我が家は檜風呂です。檜風呂といっても、湯船に檜をあしらっているのではなく、檜で風呂を沸かしているというわけです。入浴中は檜の香りがするわけでもなく、ヒノキチオールで癒し効果を得られるわけでもありません。
 そのかわり、釜場にはいつも檜の香りが充満しており、目を閉じればどっぷりと森林浴をしているような気分に浸れます。狭いところに大量の檜を積んでいるわけですから、檜林の中よりも濃密な檜空間ができあがっています。

e0052074_15253952.jpg

 先日、今年の冬に備えて薪を割っていました。秋に間伐した裏山の檜を春先に玉切りし、どんどん割って積んでいました。その時に、息子の友達の女の子が2人遊びに来ていて、薪小屋の前でキャーキャーと騒いでいました。

「ここ、新しい家の匂いがするー!」

「香ばしい匂いがするー!」

 僕は、「あぁ、確かに新しい家の匂いだなぁ」と思い、素朴な感性に微笑ましくなりました。
[PR]
# by senang | 2007-06-01 15:37 | 【2】DIYな暮らし
春の味 その9 桜
e0052074_1735096.jpg

 桜は花を楽しむだけではなく、食べたり飲んだりすることができます。遅咲きの桜(八重桜)が咲いた時、妻が花を一心不乱に採っていました。それを塩漬けにして干して、お湯を注げば桜茶のできあがり。
 干している間中、部屋の中が桜の香りでいっぱいになりました。桜は花と香りと味の3つを楽しめますね。
[PR]
# by senang | 2007-05-21 17:04 | 【2】食と農
春の花 その6 シャクナゲ
e0052074_8462139.jpg

 以前の家の主が植えていたものです。5月の連休はしばらく家を空けており、帰ってきたら咲いていました。ほのかなピンク色がいいですね。
[PR]
# by senang | 2007-05-17 08:46 | 【2】環境との対話
春の花 その7 サツキ
e0052074_8442431.jpg

 春になり、草丈がかなり伸びてきました。芽も出て枝ぶりも良くなりました。それでも庭の手入れをしていないため、藪のようになってきました。藪の中に深紅のサツキが映えます。
[PR]
# by senang | 2007-05-17 08:44 | 【2】環境との対話