カテゴリ:【3】プロジェクト( 10 )
エコ・ワーク・キャンプ その7 同じ日本人なのに
 キャンプの感想についてレンジャー達と話していた時のこと。あるレンジャーが、野菜をもらいに家を訪ね歩いていた時のエピソードを淡々と語りだしました。
 彼は1軒目のやり取りを黙って見ていて、「次の家に行った時には自分から声をかけてみたい」と言いました。しかし、2軒目でも3軒目でも家人に声をかけられず、結局は最後まで話せずじまいでした。

「おじいさんは同じ日本人で日本語を話しているのに、言ってることがわからなかった。」
「おじいさんが説明してくれていることは僕にとって実感がない、だからわからない。」
「本当はもっと話がしたかった。」

 20歳前の彼にとって、山奥で数十年暮らしてきた古老の日常や体験談は、全く別世界のように映ったのかもしれません。思わぬところで触れた別世界は、「同じ日本人で・・・」の言葉に象徴されるように、きっと衝撃的だったのだと思います。
 しかし、イマドキの若い人がこんな感性を持ち合わせていることに少し嬉しくなりました。
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by senang | 2007-10-11 00:30 | 【3】プロジェクト
エコ・ワーク・キャンプ その6 人の気配に安心できた
 最終日、片づけをしているとキャンプ地の近くに住むおばあちゃんがやってきて、手伝ってくれました。
 僕達がキャンプをしたことに対して、おばあちゃんは涙ながらに喜んでくれました。こちらとしては喜んでもらえることをした覚えがないので、訳を聞いてみたところ・・・。

 夜に人の声がしたのは数十年ぶりで、人の気配がしたから安心して眠ることができたということです。普段はしーんとした暗闇に耳を澄まし、ガサガサと音がしたらクマじゃないかと怯えながら過ごしているとのことです。

 我々がたった2泊3日のキャンプをしたところで、限界集落で何かが変わることはないのかもしれません。それでも心にしっかりと残るものはありました。同様に集落のみなさんにも、感覚の部分で何かが残っているといいなと思います。
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by senang | 2007-10-11 00:09 | 【3】プロジェクト
エコ・ワーク・キャンプ その5 不揃いな朝食
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 朝食はパンです。生地をつくって1時間くら発酵させます。生地がふくらんできたら、棒に巻き付けて炭火で焼きます。こんがり焦げ目がついたら食べ頃です。

 みんな早朝から寝ぼけ眼で火を囲み、パンがついた棒をぐるぐる回していました。
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by senang | 2007-10-11 00:05 | 【3】プロジェクト
エコ・ワーク・キャンプ その4 買わない・捨てない
 エコ・ワーク・キャンプでは、できるだけゴミを出さないことが1つの試みでした。しかし、このことを意識せずにキャンプをすると、意外にも多くのゴミが出てしまったことに愕然としました。
 とりあえず、買ってきたものからは必ずといっていいほどゴミが出ます。例えば、包装紙、発泡スチロールのトレイ、ビニールのカバーなど。紙は燃やせば多少の燃料になりますが、ビニールやプラスチック類などは厄介です。

 「我々は捨てることを生活の一部にしている」

 今回のキャンプで、これを痛感しました。そして、次回のキャンプは事前の準備段階からゴミを出さない方法を模索しようと思いました。さらに、普段の生活でもゴミを出さないことを意識するようになりました。

 そうやって考えてみると、現代では買わないことがゴミを出さない第一歩であるとも言えます。廃棄物を出さないためにも、買わない生活・捨てない生活を送ることができればいいなと思い始めたところです。
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by senang | 2007-10-11 00:00 | 【3】プロジェクト
エコ・ワーク・キャンプ その3 「まだまだ半人前じゃな」
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 日が暮れたので、枝を積み重ねて焚き火をしようと四苦八苦していると、招待に応じて夕食に来てくれた集落のおじいさんが2人やってきました。しばらく僕達の着火作業を見た後、ポツリとこう言いました。

「そんなんじゃぁ100年経っても火はつかんよ。」

 言うより早く、おじいさん達はすすっと積み上げた枝に近寄り、パキパキと折って火にかざします。すると、あっという間に火が燃え移り、枝の山にパッと火がつきました。

「山へ行ったら、雨が降っとっても火がつけられる方法があるんよ。」
「乾いた笹を取ってきてな、ほら、先を割ってやるとすぐにつくよ。」
「雨の中で火がつけれたら一人前やな。」

 先人の技はさすがです。
 キャンプのはじめに、自治会長さんが「それでも集落は消える」とおっしゃいました。しかし、この技を消してはならないと直感的に思いました。

 勢い良く燃えだした焚き火を後に、おじいさんはこう言い残してテントへ戻っていきました。

「火がつけれんってこたぁ、あんたらはまだまだ半人前じゃな、ほっほっほ。」

 ・・・恐れ入りました。
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by senang | 2007-10-10 23:50 | 【3】プロジェクト
エコ・ワーク・キャンプ その2 現地調達
 食材などは現地調達が基本。初日の昼間は2班に分かれて集落内の各家にお邪魔し、どれだけ食糧を集めることができるかを競いました。

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 突撃訪問の結果、カボチャ、タマネギ、オクラ、ナス、ネギ、イトウリなど、コンテナいっぱいにたくさんの野菜をいただきました。ただ「野菜をください!」だけではなく、お礼としてさせていただく仕事の段取りなども同時に進めていきます。

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 炭も提供していただきました。ご自分で焼いた炭だそうです。とても良質な炭で、着火が良かったです。初日夕食のバーベキュー、2日目の朝食のパン焼き、夕食のカレーなど、火を使う場面で重宝しました。

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 野菜をくれたり、夕食に来ていただいたりしたお礼に作業をさせていただきます。写真は、田の法面の草刈りをしている様子。1つの家の周辺だけでも、5人で丸1日かかりました。「老夫婦が管理できる作業量ではないなぁ」「毎年、どうしてるんだろう?」などと考えながら黙々と草刈り機を振ります。
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by senang | 2007-10-10 23:30 | 【3】プロジェクト
エコ・ワーク・キャンプ その1 「それでも集落は消える」
 レンジャーのスキルアップの意味も含め、9月に2泊3日の「エコ・ワーク・キャンプ」を行いました。最初のガイダンスで、自治会長さんがキャンプのねらいを説明しました。

「できるだけ物資は集落の中で調達し、ゴミを出さないことを心がけてほしい(エコ)。ただキャンプをして楽しんでもらってもいいですが、地元の人との接点づくりを心がけていただきたい。仕事を通して話題づくりができると思います(ワーク)。」

 なるほど、だから「エコ・ワーク・キャンプ」というわけです。

 キャンプ地は家が13軒で高齢化率の高い集落です。そこへ若者がどっと押し寄せてキャンプをするわけです。自治会長さんは、そんな状況を冷静にとらえてこう言いました。

「みなさんが来て多少の仕事をしてくれても、この集落が厳しいことに変わりはありません。それで限界集落でなくなったりすることはなく、やっぱり近い将来には消えるでしょう。ま、キャンプを通して答えをみつけるのではなく、限界集落の実態を知ってもらいたいと思います。」

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 キャンプの最初の作業は、我々が2泊3日を過ごす場所づくり。集落の中央を走る道路沿いにある草原を刈り払い、そこにテントを張ります。人数が多かったので草刈りは早く済みました。刈った草は集めて敷き詰め、寝る時のクッションがわりにします。

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 イスとテーブルを並べると、草原だったところが少しずつキャンプ地らしくなってきました。山から流れ出る水源から水を引いて台所をつくり、食事の準備を進めます。

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 夜になると、明かりに照らされたタープが映えます。夕食には集落の方々にも来ていただきました。昔の暮らしや集落の歴史などについての話をうかがいました。話が途切れることがなく夜が更けていきます。
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by senang | 2007-10-10 23:19 | 【3】プロジェクト
草刈り部隊、出動
 レンジャーは新品の草刈り機を手に、早速現場へ急行。この日はTK大学とSK大学の混成チームで、その他のスタッフを入れて総勢7名で作業をしました。

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 草刈り機をほとんど初めて扱うというレンジャーもいましたので、まずはプロにレクチャーを受けます。先生の後ろにあるくぼみは、イノシシがミミズを食べるために掘ったものです。

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 一斉に作業を進めます。結局は「習うより慣れろ」。最初はおっかなびっくりだったレンジャー達も、しばらく放っておいたら段々とリズム良く刈るようになりました。

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 初めてのレンジャーが多かったとはいえ、数が多ければ早く進みます。半日で0.4haくらいを刈りました。

 今後、ここに堆肥を入れ、耕起して、菜の花の種を播きます。9月中にこれらの作業を終えておく必要がありますので、これからの約半月に作業が集中します。

【後日談】
 この日は7人だった草刈り部隊は、都合により次の日からレンジャーとプランナーの2人になってしまいました。僕は、若い彼らを「バリカンズ」と命名して激励したのですが、さすがに2人では作業がはかどらなかったようです。
 さらに、「バリカンズ」隊長がスズメバチに刺されてしまい、しばらく後に軽いショック症状が出てしまいました。幸い、命に別状はなかったのですが、しばらく経っても手がパンパンに腫れ上がっているとのことです。
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by senang | 2007-09-15 03:05 | 【3】プロジェクト
これからのプロジェクト -レンジャーのブレインストーミングより-
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 レンジャー会議を開き、Yエリアの限界集落で何をするかについて話し合いました。大きな地図を広げ、8月の調査で歩き回った集落の状況を思い出し、それぞれがしてみたいことを書いた紙を貼り付けていきます。最初は何となく戸惑っていたレンジャー達も、作業が進むにつれて色々なアイディアが出てきました。
 現代文明の価値判断からすると、大概は限界集落は辺境や縁辺に位置していて何もないところと思われがちです。結成当初のレンジャーも、「こんな田舎で何をするんだ!?」という顔をして集落を歩いていました。でも、8月の暑い盛りに何日も歩き回ったことで、少しずつ使えそうな資源や里山の良さを感じつつあるようです。

 以下、みんなで出し合ったプロジェクトのうち代表的なものを挙げてみます。僕がしたいこともかなり入っていますが、ご勘弁ください。

■天空のカフェ「The Air」をつくるプロジェクト
 菜の花の栽培と燃料生産(9月に耕起・施肥・播種、春には一面が黄色い花畑に!)
 完全予約制のカフェ・レストランをつくる
 菜の花が満開になる頃にオープン
 食材は周囲で採れたものを中心に
 農地の真ん中にある大きな岩の周りにデッキづくり、客席を配置
 夜は彼方の海に浮かぶ漁り火が見える

■岩の庭プロジェクト
 大きな岩が3つ並ぶ谷がある
 石の上にも3年!ということで、星の観察スポットに
 岩の庭ファームと竹の長城(鳥獣被害防止)
 漁り火bar(はるか遠くに漁り火が見える)
 温泉をつくる(巨大ひのき風呂をみんなでつくる&五右衛門風呂)
 温泉はローテクエネルギー(山の手入れと薪づくり&ウッドボイラー)で沸かす

■多彩な食を楽しむプロジェクト
 みかんとりんごの収穫(暖かい地域と寒い地域の果物が同じ畑で収穫できる!?)
 野菜や山菜の収穫(れんこん堀り、わさび、クレソン)
 くど・かまどを使い、焚き火で料理をつくってみんなで食べる
 野の生き物まるやきツーリズム(マルヤキズム)
 移動野外レストラン(ケータリング)
 天ぷらカーを走らせて春の山菜を食べる
 食の保存方法を学ぶ(冷蔵庫を使わない知恵を聞き取り&実践)

■お寺の神秘にハマるプロジェクト
 住職のいなくなった寺を活用したい
 寺へ至る坂道に手づくりの灯籠を配置して幻想的な回廊をつくる
 寺の除夜の鐘&年越しそば(今年の大晦日に実施、除夜の鐘は1発100円!)
 寺で精進料理の会食&座禅体験
 しだれ桜のもとで桜祭り(ライトアップするときれい!)

■夏を満喫できるツーリズムプロジェクト
 1週間キャンプ(来年の夏休みまでに、滞在して楽しめるコンテンツをつくる)
 ウォーターパーク(集落の淵、堤防、水路など、水を活かしたテーマパーク)

■柿もぎプロジェクト(ツキノワグマ対策と合わせて)
 村内4,000本の柿の木マップをつくる
 10月上旬に柿もぎ隊の結成&実践(目指せ、のべ1,000人!)
 柿の実で加工品づくり&柿渋の活用
 柿の葉1万枚コンテスト(今年一番美しい柿の葉はどれだ!?)
 柿オーナー制度

 ・・・などなど。
 この他に、棚田の風景を活かしたおだんご屋さん、パラグライダーひろば、村の食材を使ったレストランを近くの市内に開店、野焼き・山焼き(五山送り火のような山焼き)、廃屋解体業の養成と廃屋再生ワークショップ、日本ではまだ栽培されていない外国の野菜の試験栽培(成功すれば日本初!)、などがありました。

 9~10月に着手するものもあり、これからたちまち忙しくなりそうです。
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by senang | 2007-09-02 00:17 | 【3】プロジェクト
絶景かな
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 Yエリアにある農地です。写真の手前から茂みに入る直前まで、6筆が段々に連なっています。眺望が良く、山並みのむこうには遠く海が見えるとのこと。夜はイカ釣り船の漁り火も見えるそうです。
 農地の脇に、一人暮らしのおばあちゃんがぽつんと住んでいます。元々は稲作をしていましたが、10年くらい前にやめました。放置しておくとすぐに林になってしまうため、毎年2回の草刈りを欠かさず、農地としての形を維持しています。高齢のおばあちゃんが1人で広い面積の草を刈ってきたご苦労は、並大抵のものではないとお察しします。

 この度、この場所を借りて活動を展開することといたしました。

 かつては近くの沢から取水し、用水路が水田の脇を走っていました。今でも溝は掃除すれば使用可能ですが、水源となる沢の水がほとんどありません。沢は枯れ川のような状態で、ほんのわずかの水がところどころにチョロチョロと流れている程度です。水田として復活させるには水が足らず、他の作物をつくったり動物を飼ったりするとしても、少量の水ではできることが限られてしまいます。
 どのような使い方が可能か、もう少し考えてみたいと思います。景色がとても良いので、風景を活かした完全予約制のカフェやレストランなどもしてみたいところです。山奥の奥の奥で時間が止まったかのような感覚に包まれながら、誰にも邪魔されずに緑の絨毯の上でお茶ができると最高ですね。

 そんな夢を膨らませつつ、まずはレンジャーが周辺環境の整備や草刈りに着手する予定です。
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by senang | 2007-08-19 00:38 | 【3】プロジェクト