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ウッドボイラー
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 つい最近まで、ウッドボイラーなるものがあることを知りませんでした。ふとした拍子にそのカタログを目にし、早速販売店を訪ねました。
 ウッドボイラーがどのようなものかを簡単に紹介すると、次のようなものです。
  木質系燃料を使用した給湯システム。
  何でも燃焼可能。燃料投入口が広く、大きな材でも大丈夫。
  ジャケット二重構造(窯を水が取り囲んでいる)で熱効率と安全性が高い。
  本体内の水中を給湯配管が通っており、それを加温してお湯になる。
  給湯とは別に、不凍液を循環させれば床暖房も可能。
  燃料投入後、30~40分で給湯可能。

 販売店によると、ウッドボイラーを取り扱って6年程度になるとのこと。3~4年前から急激に注目されるようになり、冬だけではなく夏にも問い合わせが多くなったそうです。導入の8割が家庭用で、用途はセカンドハウスへの設置、露天風呂用、自給自足的生活の一環など。最近は、燃料代の高騰のため、農業(ハウス、菌床)、旅館での導入が多くなってきました。

 このボイラーの凄いところは、立木からつくった薪は勿論のこと、建築廃材、竹、紙など何でも燃やすことができる点です。木を家や素材として使った後、役目を終えた材の再利用が可能で、山と暮らしの循環系ができます。立木を薪にして使う薪ストーブや、燃料の製造に高度な加工機械が必要なペレットストーブに比べると、燃料はあちらこちらに転がっていると言えるでしょう。

 また、床暖房を導入すれば、他に冬季の暖房は不要。実際に、灯油代やガス代が0円となった事例も多くあります。

 燃費を計算したところ、季節によって変動はありますが、おおむね次のような数字になりました。
  冬:5~6本/日=0.06立方メートル
  夏:1本/日=0.01立方メートル
 比較として、我が家の薪ストーブは、1日あたり0.1立方メートルの薪を消費します(冬季)。ウッドボイラーは、その6割程度の燃料で給湯も暖房もできるということになります。

 そんなに優れものなら、さぞかし値段も高いのだろうと思っていたのですが、本体と設置費は、給湯のみで60万円、床暖房をつけるとプラス60万円。全部で120万円あれば導入可能です。

 我が家は、薪ストーブのみで軽く120万円以上かかりました。勿論、これに給湯システムはついていません。1年くらい前にウッドボイラーの存在を知っていたら、こちらを導入していたことでしょう。

 ところで、これからのエネルギーは、L.S.P.を基本コンセプトにすべきだというのが僕の持論です。できるだけ地域密着型で生産・消費し(Local)、大規模なものではなく小規模分散型で(Small)、仕組みができるだけ単純で(Simple)、生産・入手しやすいもの(Popular)というものです。ウッドボイラーは、これを実現するための装置として、しかも家庭レベルで取り組み可能なものとして注目しています。社会実験でも機会があれば導入して実験してみたいと考えています。
by senang | 2007-07-31 14:59 | 【3】道具・機械・場所
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