本日、バイオエタノールを混合したバイオガソリンの販売が首都圏で始まりました。環境問題への意識の高まりから、反応も良いとのことです。
「カーボンニュートラル」の原理からすると、太陽エネルギーのもとで成長した作物を燃焼しても、そこから発生する二酸化炭素は次世代の植物に再び吸収されます。二酸化炭素の排出量と吸収量の間に釣り合いが取れ、理論的には空中の二酸化炭素濃度は一定に保たれるということです。
バイオガソリンにおけるハイオエタノールの混合割合は3%とのことですが、何もしないよりは良いのかもしれません。できるだけ化石燃料を使わなくても良いように、業界の理解が進み、エネルギー転換に関する技術が進展することを心より願っているところです。
ところで、バイオガソリンの販売は喜ばしいことですが、以下に根本的な問題提起をさせていただきます。
↓
バイオガソリンの製造過程では、直接的であれ間接的であれ化石燃料を使わないのでしょうか?
また、現在は海外のトウモロコシやサトウキビから生成したエタノールを混ぜていますが、その輸送にどれだけの化石燃料が費やされてるのでしょうか?
つまり、バイオガソリンを使うことは良いのですが、本当に化石燃料の使用削減につながっているのか、二酸化炭素排出削減につながっているのかということに疑問が残るわけです。
これを打開するには、エネルギーを自国内で自給するしかないと考えています。バイオマス利用を基調としながら、本腰を入れて「第3次エネルギー革命」とも言うべき状況を興さなければ、日本に将来はないでしょう。
その時に重要な考え方をまとめると、おおむね次のとおりになります。
1.遠くから運んでくるのではなく、手近なところで調達・製造できるものであること(local)。
2.手近なところで製造するためには、できるだけ製造方法が簡便であること(simple)。
3.エネルギー作物とその製品は、特定の場所でしかつくられないものではなく、汎用性の高いものであること(popular)。
L.S.P.(Local Simple Popular)は、エネルギーのみならずあらゆる資源の自給に関する三原則と言えます。そして、稲作を農業の主軸としている日本は、エネルギーのL.S.P.を実現する格好の条件を有した国なのです。
今日からバイオエネルギーの実用化が始まったわけですが、最終目標にエネルギー自給率100%を掲げ、20年後くらいには実現したいですね。