毎月26日の19時より、集落の常会があります。定例となっており、自治会費の徴収に加え、その時にみんなで話し合うべき議題について議論します。最近は、来年度から本格実施される「農地・水・農村環境保全対策」についての話し合いが続いています。
この事業、タイトルどおり農地とその水路と周辺環境の維持を目的としたものです。実際は農業用水を主な対象としていますが、集落や地域組織や学校などが生活共同体として取り組むことも示唆されており、使いようによっては里山環境の保全に大きな効果があります。
しかしながら、ずーっとここに住んで農業と水管理をやってきた人(男性の年配者)にとっては、水に着目した循環型社会という発想はほとんどなく、僕が住んでいる集落でもパッとした案が出ていません。ビオトープづくりや子供と一緒に生き物調査をしようといったことを提案する余地もなく、かなり勿体ないことになっているというのが実態です。
話を戻します。
今月の常会の時、話し合いが始まるまでの間に、複数の人から薪置き場について声をかけられました。
「屋根ができたねぇ」
「ストーブ入れたんだって?」
「屋根の根太は縦じゃなくて横にしなきゃぁダメだ」
「薪はあるか?ウチにたくさんいらない木があるから使いなさい」
「他の家にも、もう使ってない木がたっくさんあるぞ」(かつて稲を干していた木組み)
「あそこの建築屋は廃材を燃やして捨ててるらしいから、言ってみたらいいよ」
わが家は集落の中心部からちょっと離れており、そんなにマジマジと屋根を見てもらえるような環境にありません。それでも、あれこれと話しかけられるということは、みなさんこちらが考えている以上にわが家を見てるんだなということがわかりました。屋根の構造までチェックしていることに驚きつつも、アドバイスをいただいて助かりました。・・・時間をみつけてやり直し作業をしなければなりません。
どこまでプライベートの機密性を高めるのかということは、個人によって異なると思います。ここでは、普通に暮らしていると1つひとつの行動が周囲の住民にチェックされてしまいますが、その分だけ耳寄りな話をしてくれるというメリットもあります。
プライベートがないのは、集落内だけにとどまらず、町全体に言えることです。「今度引っ越したsenangさん家に薪ストーブがあるらしいよ」という話はあっという間に広まったらしく、苦労しなくてもあちらこちらから薪の話がやってきました。あと2箇所、早々に薪を取りにいかなければならないところがあります。本当にありがたいことです。
ただし、悪い噂も(悪い噂の方が)すぐに広まりますので、人の目が気になるという方にとっては住みにくいところなのかもしれませんね。