電気の代替を模索すべき
 生活に必要なエネルギーは、2つに大別できます。熱源と電気です。

 熱は、料理、暖房、炊事などに必要となります。いわば生活のベーシック部分を支えるものであり、欠かせないものであると言えます。熱を得るためには、薪をはじめとしてガスや石油などの使用が考えられます。日本の家庭では、薪や炭の代替としてガスや灯油が戦後になって飛躍的に普及してきました。現在では化石燃料が主流となっており、薪や炭で熱を得ることはかなり少なくなりました。
 他方、電気も不可欠なエネルギーです。テクノロジーが発達してきた現代において、パソコンやテレビなどの精密な機械には電気が必須です。さらに、電動ノコギリや洗濯機などの大きな力を必要とするもの、電動の自動車や車いす、照明など、多様な使い方がされています。バッテリーとして蓄えておくこともでき、運搬の面でも非常に優れたエネルギーです。

 電気製品の中には、熱を得るためものもあります。トースター、電気こたつ、ヒーターなどがそれです。ただし、エネルギーの無駄をできるだけ抑えるならば、熱を生む電気製品と熱で電気を発生させる方法について考え直すべきだと思います。
 火力発電やバイオマス発電などは、石油や木質材料を燃焼させてタービンを回し、電気エネルギーをつくる手法が主です。そうやってつくった電気が各地へ移送(送電)されて使われます。熱源を電気エネルギーに変換する過程と送電の過程で、かなりのエネルギーロスが生じていると想像できます。一説によると、送電の過程で生産した電力の1割が失われるという話もあります。
 熱を生む電化製品を使うことは、「熱の発生→熱から電気へのエネルギー変換→送電→電気製品によって電気から熱へのエネルギー変換」という回り道をすることになります。エネルギー効率を考えると、とてつもないロスを経て小さな熱源を得ていることになります。

 そうなってくると、バイオマス発電についても考え方の転換が必要になります。バイオマス発電は、ダイレクトに熱源となり得るものをわざわざ電気に変換するわけですから、エネルギーロスの最たるものです。例えば、バイオマス発電で得た電気でパンを焼くことを実現させるより、薪オーブンでパンを焼く設備・手間・時間をつくることに力を注ぐべきです。そうやって代替可能なエネルギーを確保し、本当に必要な電力量の想定と生産を進めることが肝要です。

 繰り返しになりますが、電気は不可欠なエネルギーです。しかし、機能や仕事に応じて、電気以外の選択肢を用意しておくべきでしょう。精密機械など電気の代替がきかないものはやむを得ないとしても、調理器具、暖房器具、乾燥機などは薪や炭の熱で代用できます。そもそも、オール電化して何でも電気で賄うとなると、たちどころに発電側が追いつかなくなります。
 電気の生産(発電)については、化石燃料からバイオマス燃料への切り替えが必須ですし、風力や太陽光による発電の普及も急務です。合わせて、電気を身近なところでつくる試みも必要になるでしょう。1箇所で大規模に発電をして送電するより、小規模な発電拠点をたくさんつくる方がリスク分担もできます。
 そうやって適切なエネルギー源の見極め・生産・利用を制御していくことが、テクノロジーの進展と資源の有効利用を両立させ、持続的な暮らしの基盤をつくることになると思います。
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by senang | 2007-01-25 17:34 | 【2】エネルギー
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