捨てられた農地、取り残された集落
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 ここはかつて、田んぼだったところです。田んぼとして使われなくなって数十年が経過し、今ではさながらジャングルのようになっています。急な斜面に人家が点在しており、朽ち果てた空き家が目立ちます。現在、この集落には200軒くらいの家がありますが、3人に2人が高齢者です。
 谷筋を注意深く見ていくと、写真と同じような農地の跡を数多く発見しました。つまり、今以上にたくさんの農地があり、それを耕す人がいたということです。自給自足していたというと極端に聞こえるかもしれませんが、それはあながち大袈裟ではなく、集落内部にある資源で成り立っている生活がそこにはありました。

 高度経済成長期は、農山村の人々を大量の働き手として都市へ引きずり出しました。その後に残ったものが、このような農地と集落です。こうなった農地は復活できないと考えた方がよいです。草木の根が張り、水田では保水力が落ち、水路もずたずたになっています。農地にするには、新たに開墾することと同等の大変な作業が必要になるでしょう。

 今、国内の食糧やエネルギーの自給率を上げることが急務だと感じています。この先20~30年の間に大幅な自給率アップが実現できなければ、日本の将来はほとんどないと考えてもよいでしょう。
 低調な食糧自給率が続く一方で、うち捨てられたおびただしい数の農地。多くの矛盾をはらんでいるのが今の日本社会であり、それは20世紀的価値観の裏の姿でもあります。
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by senang | 2006-06-13 17:23 | 【1】持続的な生き方
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