「生命地域」と「生命産業」
 里山復興をシンボリックにし、また、具体的な活動としてわかりやすくまとめる作業をしました。関係者向けの説明資料ですが、ちょこっと紹介いたします。ご意見などいただけると助かります。

--------------------------------------------------------------------

1.「生命地域」の考え方

「生命地域」の中の里山
 中国山地の中央に位置する山々、神戸川・斐伊川の源流、江の川へ注ぐ清流。わたしたちのまちは、まさに「生命地域」。そして、「生命地域」の中の人々の暮らし、景観、その周辺の自然環境は里山と呼ばれています。

里山でつくられる水と食べ物
 ブナ林をはじめとする広葉樹林を残すことによって、きれいで豊富な水がつくられます。さらに、環境に配慮した農業を営むことにより、安全で美味しい食べ物がつくられます。

里山を守る地域社会の維持
 「生命地域」に暮らすわたしたちには、里山を守り育て、後世に伝えていく使命があります。それは、地域の人々のたゆみない活動に支えられています。1人ひとりの力は小さいかもしれませんが、みんなの力をまとめて地域全体の「うねり」を発揮していくことが求められます。

 以上の考え方に基づき、豊かな自然を活かすこと、住民が安心して暮らせること、住民1人ひとりの参画によって地域を動かしていくことをわたしたちの新しいまちづくりの方向性とします。

(以上、「新町建設計画」より抜粋)

2.「生命地域」の中で生命産業を組み立てる

 「生命地域」の大原則は、自然の循環。太陽エネルギーと天からの水や雪を取り入れて植物が育ちます。植物からきれいな水や空気が生まれ、安全・安心・美味しい食べ物が収穫できます。人々の営みの後に出る廃棄物は環境にストレスのない形で返します。
 「生命産業」とは、そんな自然の循環の中で人の営みを構築することです。さらに、町の資源を活かして、生活に必要なものの自給率を高めることを目指します。

農林畜産業
 農林畜産業は生態系をつくる産業であるべきです。生態系の中で持続的な資源の生産を可能にしてこそ、産業が成り立ちます。これを大原則としなければ、自然の循環の中で生きていくことはできません。特に、生活の基礎をつくる農林畜産業は、自然の循環を強化させていくものとして位置づける必要があります。
 食糧の約60%を海外に頼っているという現代日本の危うさを考えた時、資源的に豊かな飯南町から社会のあり方に一石を投じ、メッセージを発信することが重要です。

  →小規模農業(単一作物の大産地化へのアンチテーゼ)
  →地産地消(半径10kmのものを食べようプロジェクト)
  →農・畜・林が一体となった循環型農法(稲作、稲藁飼料、放牧、草刈りの一体化)
  →機能性食品の開発(発芽米、ソバ芽、桑茶など)
  →里山生活の知恵が詰まった商品の開発(薬用植物、炭製品、ササエキス)
  →生産と収入による主観的健康感の醸成(高齢者の生きがいづくり)

癒しの空間づくり
 人類は、この世に発生してからつい最近まで自然とともに生きてきました。都市を形成し、土や木から隔離されて暮らし始めたのはわずか100年前からです。従って、人間は都市にいるだけでストレスを感じてしまいます。
 里山では、現代人が本来の場所に帰り、「失調してしまったリズム」を整えることができます。それは、「自然のリズムを吹き込まれた命」を取り戻すことでもあります。

  →予防医学の導入(免疫機能の活性化、主観的健康感の醸成)
  →楽しく実践できる自然のリズムに沿った食と暮らしの提案
  →森林セラピー(来訪者向け滞在タイプ、在住者向け居住タイプ)
  →園芸療法

エネルギーの自給
 日本はエネルギーの96%を海外に頼っており、エネルギー危機は食糧危機以上であると言えます。従って、天変地異や国際情勢の悪化で輸入が止まっても生きていくことのできる社会をつくることが急務です。
 化石燃料に代わるものとして、バイオエネルギーが見直されています。化石燃料は掘り尽くせばいずれなくなってしまいますが、バイオエネルギーは太陽がある限り無限に得ることができます。まさに生命地域にふさわしいエネルギーです。
 かつての里山は、炭や薪などのエネルギー生産基地でした。石油が使われるようになって里山は放置されてしまいましたが、今、再びその価値を見直す時期がやってきました。農林地は食糧とエネルギーをつくる場として再生していく道が拓けています。

  →木質バイオマスの実用化(町内の電力をまかなうシステムづくり)
  →エネルギー作物の栽培・活用(ナタネ、トウモロコシなど)
  →バイオエネルギーの普及啓発

--------------------------------------------------------------------
[PR]
by senang | 2006-03-08 12:33 | 【0】センシブルワールド
<< センシブルクイズ 12 自然の中の赤 >>