そこから先へは行っちゃダメよ!
 というわけで(下の記事参照)、節操なく手当たり次第に嗅ぎ回っています。やや精神的な色彩が濃いのですが、里山をこのようにとらえている書物をみつけました。
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北村昌美著「森林と日本人 森の心に迫る」(小学館)
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 いうまでもなく里山は人里近くにあって、人々が日常、生活の資材を得る場所と考えることができる。意識の中でも、また実質的にも、この場合の「山」や「森」は人々の生活空間の中に入っているとみてよい。(略)これに対して奥山のほうは、すでに「彼岸」と表現したように、人々の生活空間の外に位置しているものである。あるいは、これを「人外境の山(森)」といってもいい。つまり、ここは人間以外のものが住むところである。
 「山」には大きく分けて、この両面があると考えられるが、両者の境界はもちろん明確なものではない。しかも時間とともにたえず浮動しているものである。
(94ページ)

 そもそも「異界」とは、人間の踏み込みにくい、あるいは踏み込むことを許されぬ領域であった。したがって、この名残ともいうべき奥山を、人々と自然の交流の場とすることはできないであろう。そうなれば、残された交流の場は、もはや里山しかないのである。この里山における自然との交流こそ、日本人の自然観の形成に最も大きく貢献したとみるのが、きわめて自然な考え方ではなかろうか。
(116ページ)
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 子供の頃、祖母や近所の人から、「そこから先へは行っちゃダメよ!」と言われた場所があることを思い出しました。もしかしたら、それは単に迷子になるから、崖などから落ちて危険だからというだけではないのかもしれません。異界との境界線を超えるな、ということを示唆していたのかもしれません。

 それはさておき、北村氏の記述を読んで、こんなことを感じました。
  ↓

  地球と「人間圏」のDMZが里山?
  人間は化石燃料を得て近代文明を構築することに躍起になった結果、
  人間はひとり立ちできると思い込んでいる。
  そして、地球の慈愛や規制から飛び出そうとしている。
  でも本当は、地球と切り離されては生きていけない。
  今の時代、かろうじてつながっていられるのが里山?

  地球のリズムは宇宙のリズム?
  地球の独自性(ローカル性)はあるにせよ、宇宙の普遍性も内在されていて、
  地球も宇宙の普遍的なリズムを刻みながら回っているのかもしれない。
  そんなリズムに満ちた場所が奥山なのかもしれない。
  地球や宇宙のリズムが濃厚な奥山と、「人間圏」の接点が里山。
  ならば、人間にとってそんなリズムを感じ取ることのできる場所が里山?
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by senang | 2006-01-06 12:18 | 【0】センシブルワールド
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