1963年の豪雪の時、このあたりの交通は全てストップしました。自衛隊がヘリコプターで物資を届けてくれたそうですが、それで全住民の物資がまかなえるものではなく、冬の間はほとんど自給自足の生活を強いられたわけです。
食料は、野菜を雪の下に貯蔵していた他、漬け物にしたり干したりしてつくった保存食がありました。米も秋に収穫したものを蓄えていました。燃料は、灯油、ガソリン、プロパンガスがまだ入っていない家も多く、炊事や風呂の燃料の大半は薪や炭でした。
そんなわけで、約40年前、大雪で交通がストップしても、一冬くらいは生き残っていけたわけです。
しかし、現代において当時のような大雪が来た場合、果たして生き残ることができるでしょうか?幸い、水は大量にあります。このあたりの雪は臭わないので、溶かせば飲むこともできます。そういえば、今年の初雪が降った日、雪の青白さがあまりにも綺麗だったので驚きました。
しかし、食料や燃料はどうでしょう?一家が春まで食いつないでいくことのできる保存食は、今時の農家ですら蓄えていません。燃料も蓄えていません。電気も、雪や風で電線がちょん切れたらおしまいですね。米はあるけれど、ご飯を炊くことができないという状況も十分にあり得ます。
今、大雪にでもなった時、40年前のように生き残ることはまずできないでしょう。
そう考えると、田舎であっても化石燃料に頼った生活が浸透していることを痛感します。同時に、快適なようで実は脆い生活を送っているんだなぁということを感じています。