去年は記録的な少雪でしたが、今年はまずまずの積雪があるので安心しています。やはり、降るべき時に降るものがなければ不安になります。
とはいえ、今の家に住んで初めて本格的な積雪を迎え、予期していなかったことが連発しています。最も驚いているのは、積雪量が多い地方なのに雪のことを考えて設計された家ではないことです。借家住まいの身分で偉そうなことは言えませんが、家の前の主は何十年間もどのように冬を過ごしてきたのかがとても疑問です。
公道から玄関先まで50mくらいあり、雪が降るとその間の除雪が大変です。前々から、冬は除雪が大変だなぁと想像していましたので、これはさほど驚いていません。しかし、お年寄りの1人暮らしや女性のみの世帯だったら、家から出ることができないということもあり得ます。
上の写真は、公道に至る道を除雪した状態のものです。車が右に左にと滑るので、家に出入りする度にボブスレーのようなスリルを味わっています。
一番の問題は、玄関から続く道に屋根から落ちてくる雪が大量に溜まることです。軒先の真下にどんどん雪が落下してきて、歩ける場所がなくなります。それで、少しでも雪が少ない軒の内側を除雪して通路にします。ところが、きれいに通ることができるようにした翌朝には、また通路が塞がっています。積もっては落下し、除雪し、また積もっては落下するという繰り返しで、さながら賽の河原で石を積んでいるような感じになりました。
上の写真は、玄関から撮影したもので、軒の内側に通路を確保したところです。落ちてくる雪を取り除いていたら、とうとう通路脇に身長くらいの山脈ができてしまいました。
なお、画面左上に電柱とオレンジのカーブミラーがご覧いただけると思います。あれが公道との境目です。玄関先からあそこまで除雪をする必要があります。
雪国では、屋根を何で葺いているかも重要です。瓦の部分は雪の滑落があまりないため、屋根の上に残ります。大量に残ると、その重量で家が潰れることもあるため、屋根雪下ろしをしなければなりません。しかし、今年はせいぜい腰くらいまでしか積雪量がありませんので、今のところは大丈夫です。
一方、トタンの箇所は、雪がよく滑るのでどんどん落ちてきます。玄関前の通路もトタン屋根の下なので、大量に雪が落ちてくるという寸法です。
本来ならば、雪が落ちて溜まると不都合な場所は瓦屋根にし、雪が溜まっても差し支えないところはトタンにするなどを考慮して屋根を葺く必要があります。しかし我が家は、瓦であってほしいところがことごとくトタンであるために、必要以上に除雪の手間がかかります。
また、家の造りも雪の動きに大きく作用しています。例えば、L字型に曲がった箇所があると、L字の内側部分に集中して雪が落ちることになります。我が家の場合、家の裏がそうなっているため、大量の雪が溜まって屋根とくっつきそうになっています。さらに、落ちて溜まる雪がアルミサッシを圧迫し、たわんでしまいました。ガラスが割れて家に雪がなだれ込んでこないうちに、何とか対処しなければなりません。
雪が落下してくることを考えずに薪棚をつくってしまったものですから、今になって薪の取り出しに苦労しています。上の写真のように、薪の前にこれまた雪の山脈ができてしまっています。人が通ることのできる箇所だけ切り崩して薪を運んでいます。また、この薪棚は軒先があまり長くないために、山脈が発達してくると薪を飲み込んでしまいます。
薪棚が完成した時、同じ集落の人が、「軒先をもっと伸ばさにゃぁ」と言ったことがあります。その言葉の意味が今になってわかりました。
これは僕のミスなのですが、来シーズン用の薪にしようと思って木をストックしていた真上がトタン屋根だったのです。木の山の上に雪が落ちてきて、鋭角の雪山ができてしまいました。また、これが倉庫の入り口の前だったので、今は倉庫へ入ることができなくなってしまっています。
・・・などなど、降ってみて初めてわかったことが多く、除雪に明け暮れながらもとても良い勉強になりました。
ただ1つ、未解決の問題があります。春になったら薪を置く場所を増設しようと思っていたものの、人間の動線と雪の動きを考慮すると、そのスペースがないのです。土地は有り余るほど広いのですが、雪のことを考えると適切な場所がないというジレンマに陥っているところです。